六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第24回 「武韜5、文啓篇2、中世中華君主の統治セオリーと悪手」

六韜の二巡目、始めました。まずは現在は二つ目の武韜に入っております。 『六韜』二巡目第24回武韜5 文啓篇2 前回に続きまして文啓篇の続きとなりす。 自然とかつ向こうから集まってくるかのように全てを手に入れるのが六韜内の聖人。しかし、その裏には情報戦による工作があるというのが六韜の前提で、その工作を気付かれずに行うためには、世界の構造と流れを把握してその流れに乗るように自然な形で行…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第23回 「武韜4、文啓篇1、情報工作の機密性のために必要なもの」

六韜の二巡目、始めました。まずは現在は二つ目の武韜に入っております。 『六韜』二巡目第23回武韜4 文啓篇1 今回から文啓篇に入ります。 毎度定番であります文王による太公望への問いは、「聖人は何を守る」というもので。・・・何を聞こうとしているのか?と問い返したくなる曖昧な質問で。こういう大上段の質問ってだいたい建設的な話にならない印象が強いのはなぜだろう? 六韜内における聖人は、…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第22回 「武韜3、発啓篇3、仕込みは時間をかけて」

六韜の二巡目、始めました。まずは現在は二つ目の武韜に入っております。 『六韜』二巡目第22回武韜3 発啓篇3 現在は、六韜の二番目の「韜」であります武韜に入り、その武韜の中で最初の篇である発啓篇をやっております。 前回は同篇内において、目的のために集めた集団をまとめ上げるための、それぞれの小目的の調整の難しさとともにリーダーによる利益独占厳禁が強調されました。 今回は発啓篇の最後…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第21回 「武韜2、発啓篇2、利益の分配と小目的の調整」

六韜の二巡目、始めました。まずは現在は二つ目の武韜に入っております。 『六韜』二巡目第21回武韜2 発啓篇2 前回から発啓篇に入っております。前回は体制打倒のタイミングと、協力者を作る時の人物鑑定の手法の話があり、どうやって勢力を強めるか、みたいな話になり・・・。 天災がないと王朝打倒を宣言しない、失政がないと打倒工作を始めない、という辺りは、何をもって天災とするかについての認定の…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第20回 「武韜1、発啓篇1、旗揚げのタイミングと人集めの注意点」

六韜の二巡目、始めました。まずは現在は二つ目の武韜に入っております。 『六韜』二巡目第20回武韜1 発啓篇1 今回から六韜の二つ目の「韜」であります、武韜に入ります。話は徐々に戦場や実戦・・・、六韜の舞台設定を辿るなら、殷をぶっ壊すための具体的な話に近づいていく・・・。 今回からしばらくやります武韜内の最初の篇たる発啓篇、内容としましては文韜最初の篇であります文師篇の仁・徳・義・道…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第19回 「文韜19、兵道篇2、情報戦段階での不利の覆し方」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第19回文韜19 兵道篇2 前回は独往独来という表現で、全軍をひとまとめにして行動させることを理想とする集中機動原則が、尉繚子とはまた違う前提で語られました。 今回は内容としてはその続き・・・ではなく、ぶっつり別の内容となります。 呉子内で魏の武侯と呉起ィさんの戦場でこうなったらどうするかという戦術問答があった…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第18回 「文韜18、兵道篇1、独往独来」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第18回文韜18 兵道篇1 今回から兵道篇になります。 兵道、兵の道、戦争のやり方や勝ち方。こういうし抽象的で範囲がデカイ話になると、そんなに具体的な話がなかったりで。 兵道篇 抜粋・・・聖王は兵を号して凶器となし、已(や)むを得ずしてこれを用う・・・・・・偉大な王は軍隊を凶器とみなし、他に手段なしというやむを…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第17回 「文韜17、賞罰篇、手間もコストもかけたくない、一賞百勧・一罰百戒・信賞必罰」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第17回文韜17 賞罰篇 今回は賞罰篇、中華兵法ではお馴染みの賞罰。 軍隊と一言で言っても、貴族の将校や、農民からの徴兵、流民の糾合、異民族の合流まで、国への忠誠や認識の統一といったところまで、なかなか一体感がとれないという前提だったのが、古代から中世の中華軍史。 平時の教育から軍事教練までを入れた近代軍式の一…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第16回 「文韜16、挙賢篇、人材離れの一因」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第16回文韜16 挙賢篇 長くなってしまった上賢篇の次にありますのが、同じような篇題になっております挙賢篇。やはり人材関連の話。 形式はいつもの通りに、文王が太公望に尋ねることから始まり、今回はこういった内容・・・。 「君、賢を挙(あ)ぐるを務(つと)めてその功(こう)を獲(う)る能(あた)わず、世の乱るること…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第15回 「文韜15、上賢篇4、トップはかくあるべし」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第15回文韜15 上賢篇4 上賢篇の続きをやっております。出世させずに排除すべき人材の特徴としての六賊と、その事態をほっといたら王様自身にも危険が及ぶぞという七害。 上賢篇はさらにその続きがあり、今回はソチラを、内容としましては、トップは人材をどう見るべきか、ということと、どういう姿勢でいるべきかということ。 …

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第14回 「文韜14、上賢篇3、七害2、トップが見過ごしてはいけないこと」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第14回文韜14 上賢篇3 今回は前回からの続き、上賢篇は七害の残りとなります。人材の性質が分かったとして、利用価値が一面に残っているなら排除してしまうには少しもったいない。しかし、もったいないからと言ってほっといたり、使ってはいけないところまで使ってしまったら、王自身への損害どころか国をも崩しかねない。それは人材…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第13回 「文韜13、上賢篇2、七害1、トップは見かけに騙されない」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第13回文韜13 上賢篇2 人材登用と人事について語られている上賢篇。前回はそういう奴をほっといたらロクなことにならない、というロクデモナイ奴らの特徴を六つ紹介した六賊の話がありました。今回は同篇の続きたる「七害」となります。 六賊は登用した後で発覚した悪い点をそういった連中を排除する基準と見れたのが、七害の場合…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第12回 「文韜12、上賢篇1、六賊、ロクでもない奴とは」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第12回文韜12 上賢篇1 殷打倒を目指す周の文王からの質問に太公望が答える、という形式を取る六韜。今回から入ります上賢篇では、人材の登用から出世厚遇、そして排除解雇について、どこを評価して、どこを危険視して、何をしないように人材に言うべきかについて文王は太公望に質問するところから始まります。 太公望はまず文王か…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第11回 「文韜11、守国篇、循環変動する世界で」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第11回文韜11 守国篇 文王の問いに太公望が答えるという形式の六韜。今回もまた「国を守ること奈何(いかん)」という篇題そのまんまの質問を文王からされる太公望。前回までの守土篇と同じような内容かと思ったら、「国」という概念が近代国家のそれとまるで違うのか、太公望の答えは六韜内でもトップクラスのあやふやなものとなって…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第10回 「文韜10、守土篇3、国を崩せる民衆、王位を狙える王族」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第10回文韜10 守土篇3 名言らしいこといっぱいながら、前後のつながりがちょっと面倒、そんな守土篇、今回でようやく最後。 しかも話が前回までの流れと微妙に変わり、文王が唐突に「何をか仁義と謂(い)う」と新たな問いをし、話は仁義に移る・・・。 六韜における王にとっての仁と義と言えば、文師篇においては「仁」は「人…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第9回 「文韜9、守土篇2、問題対処の根本」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第9回文韜9 守土篇2 今回は前回に続きまして、守土篇の続きとなります。 「土を守ること奈何」という文王の問いに対する太公望の答えが語れる篇。そもそも「土」が国土か国の土台か王様か、の特定が出来ないゆえか、名言が並ぶ割には前後のつながりが微妙にない気がする。ということで、ブツ切りの紹介となっております。 今回の…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第8回 「文韜8、守土篇1、やるべき時にやらなければ滅ぶのが王」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第8回文韜8 守土篇1 文王が太公望に問うたのは、篇題のまま、「土(ど)を守ること奈何(いかん)」どうやったら「土」を守ることが出来るのか。 この「土」が、分かりやすい国土のことなのか、それとも観念的な意味合いの国家の土台のことなのか、あるいは土を盛って一段高いところに宮殿を建ててそこに住む王様のことなのか、そこ…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第7回 「文韜7、六守篇、信頼できる臣下を得るべし、民は怒らすなかれ」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第7回文韜7 六守篇 前回、明伝篇にて死にかけていた文王、そんなことはなかったかのように、それ以降の篇では太公望と問答を続ける文王。 一巡目の時はそのことについてロクに考えなかったんですが、もしかしたら明伝篇以降の文王と太公望の問答は、ずっと病床の場面で続いていて、その場に後の武王たる姫発もいるんでないかな、なん…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第6回 「文韜6、明伝篇、隆盛の終わる時」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第6回文韜6 明伝篇 今回の明伝篇、篇題の意味としては、ハッキリと伝えておきたいこと、という感じのもので。 文王・武王と太公望の問答という形式で進む六韜、明伝篇では唐突に文王が死にかけている場面から始まり、息も絶え絶えに太公望を呼び出す。同じ場に後の武王となる姫発もおり、文王は太公望へと後の王になる発へとどうして…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第5回 「文韜5、大礼篇、上下の理想の状態」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第5回文韜5 大礼篇 今回の大礼篇で文王が太公望に問うのは、篇題通りの「礼」、礼と言えば相手を尊重するマナーというイメージが強い中で、儒学式では内心に忠孝ありと示す絶対の様式、古代中華の戦略書にあっては礼は宮廷のものであって戦場にあまり持ち込まれたくないものとして扱われることもあったりで。 六韜における大礼篇はど…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第4回 「文韜4、国務篇 民を大事にすること、国を自壊させること」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第4回文韜4 国務篇 殷打倒、天下奪取を目指す文王がブレインたる太公望に問い、太公望がそれに答えるという形式を取る六韜。 国務篇では、主君は尊ばれて民衆は安心して暮らす、そんな国を運営するに大事なことはなんだろう?という問いを文王がし、太公望の答えが「民を愛するのみ」というところから始まります。 どのように…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第3回 「文韜3、盈虚篇 天下の治乱は王次第」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第3回文韜3 盈虚篇 今回やりますのは盈虚篇であります。「盈虚(えいきょ)」というのは、この篇の冒頭で文王が使う四字熟語「一盈(いちえい)一虚(いっきょ)」を略したもので、「盈(えい)」は国が興り栄える様を、「虚(きょ)」は一転して国が衰退する様を表した字で・・・。漢字一文字に意味持たせ過ぎだろ!! 殷打倒・併呑・天…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第2回 「文韜2、文師篇2 天下を手に入れるも失うも「仁・徳・義・道」次第」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第2回文韜2 文師篇2 中華史上初の戦いによる王朝交代劇、殷周戦争。その決定的なスタートということにされることの多い、後の文王たる西伯侯姫昌と太公望たる姜子牙の邂逅。それを導入部分とした六韜最初の章たる文韜の最初の篇、文師篇。 前回は、高値売り込みを兼ねてのヘッドハンティングの鉄則を、最高の道理と現実「至情」とし…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第1回 「文韜1、文師篇1 文王が~太公望に~出会った~」

六韜の二巡目、始めました。まずは最初の文韜の最初から。 『六韜』二巡目第1回文韜1 文師篇1 長らく中華最古の実在王朝とされてきた殷王朝。その殷王朝を西伯侯だった文王・武王が二代かけてぶっ潰して全てを奪う。という殷周戦争の流れを舞台設定として使ったのが六韜。 最初の章である文韜における最初の篇たる文師篇は、周の文王が渭水にて釣りをしていた風体よからぬ老人、太公望姜子牙に出会った場面…

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六韜 二巡目 『 目指すは簒奪併呑』 第0回 「六韜は何を目的とするか」

次回から新たなネタとしまして、六韜をやりたいと思います。 当ブログでは二度目になりますが、前回はかなり端折りました。なので二巡目は・・・、やっぱりあんまり変わんないかなあ・・・。 宋代に軍で教練所として抜粋された中華兵法一覧「武刑七書」その筆頭として扱われることの多い「六韜」(りくとう)。 孫子・呉子のメジャー具合に比べて六韜・三略のほうはなぜか微妙、歴史物や戦記物では孫子呉子を知って…

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