《新連載》裏読『ガリア戦記』民族はいかにして征服されたか 第0回 『三頭政治の中で一番弱かったカエサル』

論語内では門弟の中で一番叱りつけた相手にして、後に形成される儒学の主流とも違う現実主義で実践主義的、そんな元ヤンキーの子路(しろ)が役人として出世しながら無残な最期を迎えてからのこと。 「太山(たいさん)壊(くず)れんか、 梁柱(りょうちゅう)摧(くだ)けんか、 哲人(てつじん)萎(な)えんか」天を支えるかのごとき山は崩れる様子もない、天下をささえる梁も柱も砕ける様子もない、今ココでメッチ…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第1回『第一巻1 ガリアとは・・・』

今回から始めます、カエサルによる権力闘争一代記の始まり、ガリア遠征、・・・の戦況報告をまとめた上で、様々な宣伝工作に使われた、ガリア戦記。 イタリア半島外へと拡大したゆえに内乱の一世紀に入った共和政ローマ。混乱するローマ内で、有力者クラッススを抱き込む形でポンペイウスとの政治同盟を結べたカエサルは第一回三頭政治を開始。しかし、自身の力はクラッススとポンペイウスには遠く及ばない。その差を埋め…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第2回『第一巻2 オルゲトリクスの怪』

カルタゴを滅ぼし、ギリシャとマケドニアを属州とし、地中海の覇者まであと少し。というところまできた共和政ローマ。しかし、その内実は大混乱で崩壊一歩手前。改革は封殺。国内外で戦乱頻発。歴史に曰く、内乱の1世紀。 その崩壊を止めたのは元老院ではなく、独自の実力者たち。新たな実力者を前に元老院は警戒。元老院と対立する形で実力者同士の政治同盟である第一回三頭政治が結成。今となっては三頭の筆頭がカ…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第3回『第一巻3 ヘルウェティー西進開始』

共和政ローマ拡大ゆえの構造的限界。内乱の一世紀。元老院と対立する形で生まれた、ポンペイウス、カエサル、クラッススによる第一回三頭政治。 しかしその政治同盟が薄氷の上に成り立っている上に、ポンペイウスとクラッススは犬猿の仲、カエサル自身は二人に比べてほぼ無力。 政争に勝利してローマのトップになるには、金と軍備が必要。 カエサルは総督となったガリアの地で搾取富を築かなくてはならない。そのた…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第4回 『第一巻4 民族移動への追撃、アラル河の戦い』

共和政ローマ「内乱の一世紀」の中盤。政争に生き残るために、ガリアでの金作と自身の軍団拡張を目指すカエサル。 ガリア総督となった直後に都合よく起きてくれた、ガリアの外縁部族ヘルウェティー族による西への大移動。まずはローマ属州(ガリア南部)内での乱暴狼藉の可能性を理由に、一番通りやすい経路に防壁を築いて侵入を阻止。ヘルウェティーがガリア内を通る別ルートをとったら、カエサル軍団は平行追尾。そして…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第5回 『第一巻5 同盟勢力の弱味を握る』

ローマでの政争に勝つためにガリアの地で搾取する富を築く、そのためにガリア諸部族を征服しなくてはならないカエサル。都合よく起きたヘルウェティー連合の西進というガリア内の騒乱。反ヘルウェティー連合からの援軍要請によりガリア内部に軍をすすめる口実を得たカエサル。ヘルウェティー連合を相手にする限りは反ヘルウェティー連合は味方であり同盟相手。 同盟相手も所詮はいずれ敵になる。だから同盟相手である…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第6回『第一巻6 アルムシーの戦い』

最終目的はローマの政争に生き残りトップに立つ!そのために自前の財力と軍事力を強化しなくてはならない。そのために総督となったガリアの地(ピレネー山脈からライン川の間、現フランスとドイツ西部)で搾取する富を築く!そのためにガリア諸部族をカエサルの下に平定する! すると大変都合よく、カエサルがガリア総督となった直後にヘルウェティー族を中心としたガリア外縁東部の諸部族が西進を開始するという騒動が発…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第7回 『第一巻7 次につなげる戦後処理』

ローマでの政争に勝つためには財力と自前の軍事力の確保が必要。ガリア総督としてガリアでそれを実現するため、ガリア平定を目指すカエサル。 三頭政治によって執政官となり、その任期を終えてからガリア総督となった(BC58)その直後に大変都合のいいタイミングで発生した、ヘルウェティー連合による西への部族大移動というガリア内部の騒乱。その時にヘマをやらかして元はヘルウェティー族と友好的だったハエドゥイ…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第8回『第一巻8 ココが変だよヘルウェティー騒乱』

ローマでの政争に勝つためには莫大な財力と強大な軍事力が必要。カエサルはそれを総督となったガリアの地で調達しようとする。目指すはガリア諸部族をカエサルの支配下に置き搾取対象にして軍団の忠誠を金で買い、その他のマンパワーをガリアから調達するようにする。 ガリア戦記はそういった目的を察知されないようにうまく隠して、ローマにいるポンペイウスとクラッススと元老院から警戒されないようにしつつ、自分…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第9回『第一巻9 乗っ取らていく先住民族』

イタリア半島を中心に・・・・・・、イベリア半島(現スペイン・ポルトガル)、ガリア地方(現フランス・ベルギー・ドイツ西部)、バルカン半島、小アジア、地中海東岸、ナイル川下流域、アフリカ北岸一帯を支配し、その最盛期にあってはチグリス川ユーフラテス川流域まで領土を伸ばしペルシャ湾にまで至った、帝政ローマ(古代ローマ帝国)。 そんな栄華を誇ったローマ帝国もまた、ゲルマン人の大南下(ゲルマン民族…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第10回『第一巻10 ローマ式大義名分の作り方』

ローマでの政争に勝利しトップに立つため、ガリア総督の地位を利用してガリアの地で財を築き軍団を大規模化して忠誠を買う。そのためにガリア諸部族を完全に支配下に置き搾取の対象とする。それはつまり、ガリア全土を一時カエサルのものとしローマの属州とするということ。 注意しなくてはならないのは、カエサルが自身の野望のためだけにガリア諸部族のトラブルに介入し、ガリア内部へと深く深く軍団を進めているとロー…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第11回『第一巻11 話し合いの余地をなくす要求』

自身の財力と軍事力を強化することを目的に、搾取対象としてのガリア諸部族の平定を目指すカエサル。ガリア総督という地位と役職をフル活用しガリア内部へと自軍団を進める口実を探すと同時に、ローマ本国からにらまれないよう、私益を追求しているのではなくローマの利益を追求しているのだ、という姿勢を示すためのローマに向けた大義名分もしっかり考える。 カエサルが最初にガリア内部へと入る口実を与えたハエドゥイ…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第12回『第一巻12 カエサルの士気上げ演説』

共和政ローマは内乱の一世紀に突入中。第一回三頭政治の一角カエサルは、ローマ内の政争に勝ってトップに立つことを目指す。そのためには、莫大な財力とローマではなく自分のためだけに動く強大な軍団が必要。なので、ガリア総督としての地位をフル活用し、ガリアの地全土をローマの属州とし、自分が管轄権を持つ間に搾取しまくる。そのためにはガリア全土へと軍団を進めてガリア諸部族を平定しなくてはならない。そのために…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第13回『第一巻13 平野の交渉は平行線』

全ガリア諸部族を平定して搾取する。その財力と軍団でもってローマの政争に勝利してトップに立つ。その目的のために邁進するガリア総督カエサル。 ガリア外縁諸部族の一角たるヘルウェティー連合がガリア内を西進したことに対して進行経路上の諸部族がカエサルに助けを求めたことでガリア内部へと入る口実を得たカエサル。続いて、反ヘルウェティー連合が「ガリア化途中のゲルマン人の王アリオウィストゥス被害者の会」へ…

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裏読《ガリア戦記》いかにして民族は征服されたか 第14回 『第一巻14 ゲルマン決戦』

自身の財力と軍事力を拡大するために、ガリア総督の地位をフル活用して、ガリア諸部族の平定し属州を拡大。自分が管理権を持っているうちに徹底的に搾取する。 ガリア内部への最初の介入の口実となった、ヘルウェティー連合の西進。それが終わると反ヘルウェティー連合の諸部族が「ガリアンゲルマン王アリオウィストゥス被害者の会」へと丸ごとシフトし、カエサルは次なる介入の口実得たりとアリオウィストゥス討伐へと向…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第15回 『第一巻15 ココが変だよアリオウィストゥス討伐劇』

ローマ本国での政争に勝利するため、財力と軍事力を用意しないといけない。そのためにガリア総督としてガリアの諸部族を平定して、人も金も徹底的に搾り取る。 ガリア戦記は、そんなカエサルの野心をローマ本国に疑われないよう、自分の評価を上げることも兼ねての、報告書の名を借りた宣伝書。 そういった点をにおわせる文が所々にあり、今回はそんなお話。 ガリア戦記第15回 第一巻15 ガリア・・・、とは…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第16回 『第二巻1 ベルガエ人、動く』

ローマ本国での政争に勝つために、金と軍が必要。ガリアの地でそれを手に入れる。総督として管轄地域を増やして、どさくさの中で搾取して力を蓄える。野望に燃えるカエサル。 ガリア総督となった直後に起きたヘルウェティー連合西進による騒乱、続いてセークァニー族領内で勢力を張っていたガリアンゲルマン王アリオウィストゥス討伐。前半はカエサルにとり管轄外のガリアの地へと入る口実になったものの、後半のアリオウ…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第17回 『第二巻2 要衝篭絡』

共和政ローマ「内乱の一世紀」。第一回三頭政治の一角にありながら、三人の中でその力は財力も軍事力も最弱だったカエサル。 その後に予想される政争で生き残るため、ガリア総督となっているうちに、ガリアの地を属州に完全に取り込み搾取して財力と自前の軍隊を強化しないといけない。 そんな野望を持っての総督一年目。都合よくガリア内に介入する口実を手に入れるも、後半に味方面していた部族によって利益の確保に…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか お詫びと訂正1 「アクソナ河について」

いつも当ブログをお読みいただき、アリガトウゴザイマス。ニートーシローです。 現在は、ユリウスカエサルが書いた「ガリア戦記」をネタにして連載をしております。正確性に難が多い当ブログですが、最近の更新の中で特に致命的な間違いに気づきましたので訂正いたします。 第二巻に入りまして、カエサルはガリア内のベルガエ人諸部族の大連合と戦うために、まずベルガエ勢力圏における陸の出入口となるレーミー族の領…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第18回 『第二巻3 ビブラクス攻防戦・ローマ式背水の陣』

ガリア総督の地位を利用し、ガリアの地における属州を拡大し、そこから思いっきり搾取して、財力と軍事力を拡大させる。それでもってローマ本国における政争に勝ってトップに立つ。そんな野心に燃えるカエサル。 一年目後半のロスを取り返す口実として、ベルガエ人(ライン川からセーヌ川・マルヌ川の間に分布していたガリア人の区分)による大連合が、カエサル討伐に動いたという報告が入った。 カエサルは情報の裏付…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第19回 『第二巻4 アクソナ河の・・・小競り合い』

ガリア総督の地位をフル活用して財力と軍事力を蓄え、ローマでの政争に勝利する野望を抱くカエサル。 二年目の最初の敵にして介入の口実は、ガリア北部の大勢力、ベルガエ人諸部族の大連合への自衛戦。 六倍の勢力を前に、アクソナ川を背にして布陣するカエサル軍団。そこでは予想外の激戦が展開されることとなった! ガリア戦記第19回 第二巻4 ビブラクス攻防戦でベルガエ人の実力を見極め、「ガリア人の中…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第20回 『第二巻5 ベルガエ連合大追撃』

ローマでの政争に勝利するために、独自の財力と軍事力を確保する。そのためにガリア総督という地位をフル活用するカエサル。総督二年目のガリア介入の口実、ベルガエ人諸部族の大連合襲来。 ガリア戦記第20回 第二巻5 30万以上のベルガエ大連合軍と、5万弱のカエサル軍団。双方の全軍がアクソナ川で対峙しながら、正面決戦もなくあっけなくベルガエ連合は撤退。それへの追撃戦でもって大戦果をあげたカエサル軍…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第21回 『第二巻6 ベルガエ最凶ネルウィー族』

ローマでの政争に勝利するため、ガリア総督の地位を利用してガリアの地で財力と軍事力を築かんとするカエサル。二年目のガリア内部への介入の口実。ベルガエ大連合襲来。・・・への迎撃と追撃のための進軍。 カエサル軍団は正面決戦無しの追撃でもって大戦果をあげ、さらに連合の中心である二大部族であるスエッシオーネース族とベロウァキー族の地へと向かえば、ろくな戦闘描写もなく両部族は降伏。 カエサルの狙う部…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第22回 『第二巻7 激戦!サービス河』

ガリア総督として、ガリア全域を属州とし、ガリア諸部族から搾取する。そうやって築いた財力と軍事力でもって、ローマ本国での政争に勝ち、ローマのトップに立つ!そんな野望を胸にして、カエサルはガリア完全征服平定に邁進する。 ガリア内部へと軍団を進める口実を常に欲するカエサル。総督二年目の口実となったのが、ベルガエ部族の大連合によるカエサル討伐。 反撃兼再発防止のために、カエサルはベルガエ勢力圏に…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第23回 『第二巻8 ネルウィー族降伏』

ローマ本国での政争に勝つために、ガリア総督という地位を利用して 財力と軍事力を確保する。そんな野望を持ったカエサル。 利益確保が尻すぼみに終わった一年目、二年目になると今度はベルガエ大連合がカエサル討伐に動いたということで、迎撃兼再発防止という名目でガリアのうちベルガエ人勢力圏へと軍を進めるカエサル。 緒戦がびっくりするほどにあっけなく終わり、スエッシオーネース族、ベロウァキー族といった…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第24回 『第二巻9 ベルガエ騒乱、利益確定』

ガリア総督の地位を利用して、財力と軍事力を築いて、ローマ本国での政争に勝つ!そんな野望を秘めたカエサル。 二年目に向こうからやってきてくれたガリア介入の口実、ベルガエ大連合襲来。信じられないぐらいの緒戦の快進撃。そして連合中心部族のスピード平定。さらには、サービス川での一連の戦いにより、ベルガエ連合内で最後の大部族たるネルウィー族を降伏させることに成功したカエサル。 相手にしたベルガエ諸…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第25回 『第二巻10 全てが変だよベルガエ戦争』

ガリアの地にて搾取をしまくり、財力と軍事力の拡大にいそしむカエサル。ただし、自分の野心を疑われぬようにローマ本国への配慮も必要。もしも危険視されれば、ローマ最強の軍団を持つポンペイウスとクラッススがカエサルを叩きのめしにやってくる。そういった最悪の事態を回避するためのツールが報告書としての「ガリア戦記」。 結果、色々とおかしな所だらけになってしまう。 今回は第二巻、ベルガエ騒乱を振り返り…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第26回 『第三巻1 暴発させて叩き潰すシステム』

ガリアの地で財力と軍事力を築き上げ、ローマのトップに立つ野望にまっしぐらのカエサル。 たった二年でどれほどの利益を得たのか、ガリア戦記内ではちょっと分かりづらいところですが、かなりの利益を得たと同時に、さらに搾取する仕組みを作り上げたともとれる文がそこかしこにあり、 第三巻の序盤では、さして戦略的に重要というわけでもなさそうな戦いについて語られており・・・。 ガリア戦記第26回 第三巻…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第27回 『番外 ルッカ会談』

前回からガリア戦記第三巻に入りましたが、どうしても第三巻に本格的に入る前に、チョイチョイ出て来る重要っぽい話がありまして、今回はソチラのお話をしたいと思います。 ローマの政争に勝つために、ガリア諸部族から徹底的に搾取して、独自の財力と軍事力を築く。本来の任期の二年間でもって、ガリア戦記内で書けないぐらいの弾圧と搾取をやってたかもしれないカエサル。 わずか二年間で、ガリア諸部族のほうから暴…

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裏読『ガリア戦記』いかにして民族は征服されたか 第28回 『第三巻2 ガリー系沿岸諸部族の反乱』

ガリアの土地で搾取して、財力と軍事力を築く。それでローマのトップに立つ! 二年の任期が切れかけていたカエサルにとり、必要なものはとにかく時間。そしてさらなるマンパワーと予算。 それらを手に入れるために、ルッカ会談の準備を進め、三頭政治で政治協定を組みながら潜在的な競合相手でもあるクラッススとポンペイウスとの話し合いを進めていた時のこと・・・。ガリアに残していた軍団によって、新たな戦争が起…

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