ニッコロさんの君主論 第6回 第五章 「強烈反骨、共和政の記憶」 俺も色んなことを口実にして自分の人生を崩壊させてきたけどね!





領土拡大を目指すなら~
侵攻対象の国が
どんな統治体制なのかまで
しっかりと調べましょう

君主一人と官僚組織なのか
君主と諸侯の集合なのか
どっちかによって
侵攻の難易度とその後の支配継続の難易度が
変わりますよ~

って話が
前回で・・・


孫子先生も
統治体制を調べろとは
言ってませんでしたわな

春秋戦国時代の中国は
どの国もだいたい似たような統治体制でしたからな・・・

似たような統治体制に
なってしまいましたからな
秦の始皇帝が中華統一という余計なことが出来てしまったのも
ニッコロさんの論理でいけば
言語・習慣・制度・風俗という最大の壁が
なくなってしまったからだったりするのかな・・・


・・・では今回のお話

ニッコロさん自身が
君主論の序盤でまず語ったように

支配権には二分類アリ
一つが君主権
そしてもう一つが共和国


前回の
フランス型だのトルコ型だのという話は
侵攻対象が
あくまで君主制の国であるわけで

侵攻対象が
共和国の場合のことも考えようと

ニッコロさん自身が
公務員として働いてた時代のフィレンツェは
共和国の時代で
選挙で選ばれた大統領と議会によって
政治がなされていたわけで・・・

そういう国は
自由な国制に親しんでいる
という地域の事情があるということで・・・

こういった地域を
侵略し
支配し続けることは
タイヘンだと

前回紹介されました
君主と諸侯による統治体制である
フランス型の国と同じくらいタイヘンだと
ニッコロさんは言うわけで

具体的にどうタイヘンかと言いますと

安全確実な方法は
自由な国制を破壊するしかない
という結論に至るあたりでありまして・・・・・・









色々と人生を通して
失望を重ねたとはいえ
そこは共和国生まれ
共和国育ちのニッコロさん

民主主義体制は破壊するしかないのだ!
と安直には言わないんですね

三つの方法がある
一応説明はするんですね

1 破壊
2 新君主による新領土への移住
その地域の法による統治を認めつつ、税金だけまきあげ、なおかつ新君主とうまいこと折り合える少数の為政者に統治させる(寡頭政)。


「自由な国制の下に繁栄した都市を保持するには、
 その都市の市民を用いるほうが容易である」
ニッコロさんは言うものの
「その国制を保持したければね・・・」
という条件をしっかり設けてるんですね


ニッコロさんは
君主国家が共和政国家を侵略した後
共和政の骨子を残したまま
寡頭政で支配を維持できるかについて
デカイ失敗例を紹介してくれます

それが
ギリシャ

ギリシャは
共和政都市国家の集合体でしたが
ギリシャを真っ二つに割る大戦争の後
スパルタがアテネを支配する際

アテネの法はそれまで通りにしておいて
自分達の言うことを聞く少数の人間をアテネの指導者にしてたら
支配継続に失敗

その後
ローマがギリシャ全土を支配する時も
アテネの法はそれまで通りで
ローマの言うことを聞く少数の人間を指導者にしたら
失敗


結局ローマは
カルタゴの時みたく
ギリシャ諸都市の破壊を決行

今残っているギリシャの観光名所は
当時からして
ものすごく一部・・・


それまでの法はそのままに
新君主の言うことを聞く少数の指導者に統治させる

選ばれた少数の指導者たちは
新君主のおかげでその地位に上がれたんだから
忠誠を誓うだろうと・・・

しかし
法律については
それまでのものをそのまま使うわけで

それまでの法は
議会によって作られているわけで
つまりは
議会の議員を選ぶ市民の利益のために作られている

だから・・・
新君主の利益市民の利益がゴッツンコ状態になってしまうと・・・

「自由な国制に親しんだ人々は、
 自由やかつての制度を口実にしては常に反乱を起こし
 新君主がどれほどの利益を施そうと
 自由やかつての制度のことを忘れない

少数の指導者たちは市民と新君主の間で板挟み状態になって
最後は
弾圧する反乱を起こされるかの二つに一つになると・・・

なんだ
独裁者を使った戦後の国際情勢と
あんま変わんねえな・・・

先の複合的君主権の時に言ってたように
新領土たるその地に
新君主の軍がいてくれるわけじゃないと・・・

つまり弾圧も徹底できないし
反乱する市民の側は有利だと・・・

結局
新君主による共和政の地域の支配は
失敗に終わる可能性が高くなると・・・

「自由な国制に親しんでいた地域の支配を確立するにあたり、
 最も安全かつ簡単な方法は、
 自由な国制の破壊である。
 その破壊をしないということは
 新君主は自由な国制の地域によって破滅させられのを待つことと
 同義である!

支配の継続が中絶したら
再度侵攻しなくてはいけないことになりますが・・・
反乱が起きた瞬間に面子は潰れ
軍を遠征させるに金がかかりと・・・
国の命運を左右させるに
充分すぎる要因が作られていき・・・
最後は崩壊

ニッコロさんが言うに
共和政の記憶

というものは
実に強烈なものらしく

侵略者が
別の共和政国家であったとしても
反乱傾向は変わらないのだそうで

ニッコロさんの時代でも
フィレンツェ共和国は
ピサという良港をもつ都市を
失ったことがありまして
そのピサも共和政だったということで
都市による共和政の自治という記憶は
そんだけ強烈なのだと・・・


現にニッコロさん絶賛の
古代ローマ人も
カルタゴという共和政国家を打倒し
その領土を支配するにあたり
統治体制はおろか
その建物文物文化にいたるまで
徹底破壊しております

ギリシャでそれをすぐにやらなかったのは
ローマの文化は
基本ギリシャ発だったからとかなんとか・・・


共和政の記憶の強烈さは
フィレンツェ共和国
という共和政国家で育ったニッコロさんも
認めるところでして

さながら
見えない巨大な力を語るが如く
こう表現します

「共和国にはより多くの生命があり、
 支配者への憎悪も強く
 復讐欲もメチャ強い。
 市民は自由の記憶を忘れないし、
 忘れることもできない」


「より多くの生命」のあたりに
言い尽くせぬ何かが
あると勝手に俺は思うわけです


都合の良い少数の指導者による
支配が出来ないなら
破壊するしかない

破壊もしたくないなら
新君主がそこに居住するしかない


興味深いのは
ここでは
植民が出てこないってあたりでね・・・


・・・共和政って
民主主義って単純に解釈して
大丈夫かね・・・?


俺は
そこんとこの理解を深めようとは
思わないけどね!

そういうことを目指せる人間なら
こんなことにはなってないッス!


次回更新


いつになるか分かんないっす!!






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