ニッコロさんの君主論 第5回 第四章 「もしも侵攻対象の国が君主制だったら・・・」 結局終始簡単ってないってこと?





君主権に二分類アリ
・世襲的君主権
・新しい君主権

世襲的君主が領土拡大をしたら
新領土においては新しい君主権の分類に入りま~す
それを複合的君主権と名付けま~す


新領土の獲得過程に四つアリ
・他国の軍によるもの
・自国の軍によるもの
・幸運によるもの
・実力によるもの

獲得した新領土に事情アリ
・君主の統治に慣れてる場合
・自由な国政に親しんでる場合

以上のことを踏まえて~
目指せイタリア統一!


前回まで
複合的君主権の維持は
とてもタイヘン
という話で
うまくいきたければ

弱小な周辺諸国を保護し同盟を結び
強大な周辺諸国の力を削ぎ
同盟した弱小周辺国の強大化を許さず
何より領土内に外国の影響が及ぶのを許すな
手本は古代ローマ人!

ということで

今回は
新領土獲得維持の前に
侵攻対象になる国の事情を
考えおきましょうって
そういう話になります


第四章 侵略は難しいけど支配の継続が簡単な国と侵略は簡単だけど支配の継続が難しい国

なんちゅう長い章題か!
モチロン
この章題は俺が勝手に改変しました

実際の章題は
もっと長く

「アレキサンダー大王は大国ペルシャを滅ぼして領土に組み込んだけどアレキサンダー大王が死んだ後の後継者たちに対して反乱が起きなかったのはなんでだろうね?」
という感じのものです

さすがに長いので勝手に改変しましたが
改変しても長い・・・
これは俺の文才の問題か・・・

どうして章題に
アレキサンダー大王の名前があるかというと
説明するに便利だったからみたいで・・・

~~~~~~~~~~

マケドニアはギリシャ人の国だけども
位置はギリシャの北の果て
アテネやスパルタからはギリシャ人っぽくない扱いを受けていて
マケドニアの王様フィリポス二世さんは
ギリシャ諸都市をぶっ叩いて主導権を握ったはいいが
不幸にも暗殺されてしまいます

その後を継いだのがアレキサンダー
彼は
西はギリシャをぶっ叩き
南はエジプトとバビロニアを討ち
東はペルシャを討ち
その最東端は軽く小アジアを越えて
インドにまで到達

ゆえに呼ばれました大王
ちなみに親父さんのフィリッポス二世も大王って呼ばれてた気がします

~~~~~~~~~~

アレキサンダーの軍の特徴は

ギリシャ式の重装歩兵密集隊形(ファランクス)
馬車型の戦車よりも機動力の高い騎兵
複合的応用

しかし
ニッコロさんは
そんな戦術レベルのネタには
触れません!








アレキサンダー大王による帝国は
大王の死後
将軍達の争いにより
あっという間に分割され
幾つもの国になりました

一つはエジプト
一つはシリア
一つはマケドニア

他にもあるようですが
そこまで調べようとは
俺は思わないッス!


ニッコロさんが特筆してるのは
前回話題になりました
新領土における支配確立における最大の壁
言語、習慣、制度、風俗

アレキサンダー大王は
ギリシャ(一部)、エジプト、バビロニア、ペルシャ
最大の壁がありまくりなところばかり
その後継者共は
国家が他国に滅ぼされるまで
現地住民からの反乱が少なかったな・・・

アレキサンダー大王もギリシャ人なら
その後の分裂した各国家の王様になった元将軍達もギリシャ人

現地住民は
ギリシャ人、エジプト人、バビロニア人、ペルシャ人

言語も習慣も制度も風俗も違うのに
よく治めたもんだ
そういうわけらしく・・・

特にスゴイのは
ギリシャと全く共通点のない
ペルシャの統治がうまくいった点

領土を拡大するのなら
かくあるべきだろうと
思うと同時に
どうしてそううまくいったのか
考えるべきだとニッコロさんは言うわけでして・・・

結論としましては

「勝利者の能力によるものではない。
 現地住民の性質が違うだけだった」

上記にもありますように
獲得した新地域の事情は二つ
・君主による統治に慣れている場合
・自由な国政に親しんでいる場合

支配体制が
現地住民の性質を決める

クラウゼヴィッツ校長も
未開の土地の人間が好戦的なのは
制度によるものだという話をしてた気がします・・・


今回は
君主による統治に慣れている場合の話で

それについても
二種類あると
ニッコロさんは言うわけでして

それが
トルコ型フランス型


トルコ型は・・・
一人の君主とその従僕(官僚組織)による統治体制

フランス型は・・・
君主と諸侯による統治体制


ニッコロさんが言うに
侵攻対象とするに

トルコ型は
軍事侵略は難しいが
ひとたび支配が確立されれば維持は容易

フランス型は
軍事侵略は容易だが
支配し続けることは難しい

のだそうで・・・

ただ
ニッコロさん存命時の

トルコもフランスも
当時のイタリア諸国が束になっても
勝てないぐらいの強国だったそうで

トルコは位置の関係から
アレキサンダー後のシリア(ペルシャ)と一部重なり

フランスは当時の欧州の代表例ということで
あくまで説明としてとりあげたのであって

イタリア統一後に
本気で攻め込もうとしていたとは
思っていなかったと
俺は勝手に解釈さしていただきます


トルコ型が
侵略が難しい理由は

一人の君主に権力が集中しているので
国は基本的に一丸状態

だからトルコ軍は
国の国力を忠実に反映したものになるから
強大かつ一個の存在だと・・・

そして
前回の話のように
トルコ皇帝一人に権力が集中しているので
トルコ国内にこちらの同盟に入ってくれる勢力がなく
協力者も作れない

人々は君主の統治に慣れているため
仮に暴政とかで腐敗させることに成功しても
人々からの多大なる協力は期待できないんだそうで・・・

つまり
侵略するなら
自国の軍に頼るしかないと・・・

腐敗させる
という方策があるあたりが
サラッと怖いわ・・・


ただし
勝利を重ねて
軍隊を立て直す力をなくさせてしまえば

残るは
トルコ皇帝の血統を根絶やしにすればいいだけになる

前君主の血統を根絶やしに出来れば
元からトルコ王以外の権力者がいないもんだから
民衆の信頼を新たに得る存在は
新君主だけになると・・・

だから支配し続けることは容易だと


一方・・・
フランス型の統治体制の国は
軍事侵略は簡単だと

フランスは
フランス王と諸侯によって治められ

フランス王の下に官僚組織と臣民があり
諸侯の下にも官僚組織と臣民があり

それぞれは独立していて
フランス王といえども諸侯に強くは出られない

簡単に言えば
元はバラバラだけど
時勢の都合上、王の下に集っている状態

だから
侵略にあたっては
フランス王に不満を持つ諸侯の協力は簡単に得られる
侵攻する君主を進んで招き入れる者もいる

そんな連中の協力によって
フランス王の血統を根絶やしにするのも
簡単だろう

しかし・・・
その後が大変だと

新君主に協力した諸侯は
独自の官僚組織と臣民(財源)を持っているわけだから

新君主から得られる物がなくなったと思ったら
自分達が次の王になろうとする

なので時勢到来と見るや
新君主を追い落としにかかる・・・


そういうわけでして

ハイ・・・
トルコ型にしろ
フランス型にしろ
実にザックリとした話であります
そんな詰められてはおりません

トルコは
君主一人であることに変わりはありませんが
その下の官僚組織が巨大になり過ぎて
国力の衰退がはじまりますし

フランスは
王様と諸侯の暗闘の結果
割と王様の権限は強く
だからニッコロさんの時代に
ローマ教皇と対立もできたわけで
ニッコロさん没後から百年以上後
宗教戦争の終焉とともに
絶対王政へとつながります


何より
トルコ型とフランス型で割り切れないのが
大陸の中国の模様
体制としては
トルコ型ですが
歴史的には
ズイブンと裏切りが多い・・・

まあこのあたりはですね・・・
君主論がスゴイ短期間に書き上げられたもので
あくまでフィレンツェの新君主候補者に送るためのもので

ニッコロさんも
分かりやすさ優先だったんだと俺は思うんです

自分の能力の売り込みのための
パンフレットだったと思えば
分かりやすい文章にも
納得がいくといいますか・・・


アレキサンダーの後継の
シリアで反乱が少なかったのは
もともと
打倒したアケメネス朝ペルシャ自体が
トルコ型だったのだと
ニッコロさんは結論づけるわけでして

前回は古代ローマ人を絶賛してましたが

弱小国との同盟を利用しつつ
強大な勢力の力を削ぎ
弱小同盟国の強大化を許さない

という過程では
戦争と反乱が連発したのも
確かであって

ローマ人がそういった外交戦術を駆使しなくてはならなかったのは
なんやかんやで共和政ローマが相手をしたのは
フランス型の国が多かったからだと
そういうわけらしく

じゃあ
フランス型の統治体制の国を
侵略して領土にすることはできないのかと
言えば
そうではないとニッコロさんは言うわけで

やはりローマの成功例をもとにして

旧君主による統治体制が
人々の記憶から消え去る
そこまで新君主の支配体制が続けば
安定した領地となるらしく

現地住民にとって
君主は新君主の血統のみである
そういう状態になれば良いわけだと

支配するなら
そこまで続けろと
そういうわけでして


領土拡大にあたって
侵略対象の国が君主制なら
どんな統治体制なのかを見て

自国の軍と国力を見ながら
目下のリスクとその先のリスクを
しっかり見て覚悟を決めろと
そういうわけなんだそうで


まあつまり
当時のイタリアの中にも
トルコ型の国と
フランス型の国が
混在していたということでも
あるんすかね・・・


次回更新


いつになるか分かんないっす!!




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